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《連載》ごまめの歯ぎしり(3)「鉄アレー」

2013年06月13日


Ta先生は私の勤務していた整形外科病院で2年後輩です。彼はとても柔道整復師とは思えないほどスレンダーな体型をしていました。彼が病院に初めて出勤してきたとき私は「こんな体でほねつぎが務まるのかな」と思っていました。

彼と一緒に仕事を始めて半年くらいした頃、前腕骨の骨折(Colles骨折)の徒手整復をすることになりました。「よオーTa、もうそろそろ整復の助手をやってみろ!」と私が言うと、彼は「ハイ!」と多少不安そうな顔をしながら声だけは元気に答えました。これには理由があり、彼と同時期に就職したもう一人のTu先生は別のチーフと組んで仕事をしていたので、既に何度も骨折整復の助手を経験していて、数回は自分が術者となって徒手整復をさせてもらっていたのでした。

一方のチーフである私は何か不安を感じていたので彼には徒手整復の助手もさせていなかったのです。整復の準備が終わり私と向かい会って助手の位置についた彼の顔が、心なしか青ざめていました。私はいつものように思い切って患者の手を引っ張りました。するといつもと違い何か抵抗が少なく、手応えがありません。それどころか痛みで顔をゆがめた患者がズルズルと私の方に近寄って来るではありませんか。一瞬にして事の次第を悟った私は「お前ナ、引っ張れツて言ったんだヨー、押すんじゃねエー」と怒鳴りました。整復は彼の後ろにもう一人太った看護師を付け重石にして無事終了しました。

ギプスで固定して患者が帰った後、私は彼を呼び「お前、力がないヤツは、ほねつぎになれねエーんだよ!何とかしろ!」と言っておきました。そのことがあって暫くは私も忘れていたのですが、あるとき「お前、何かやってるのか?」と彼に聞くと「先生、鉄アレーを買って来ました」と言ったのでした。毎晩、寝る前に腕立て伏せと鉄アレーを使って鍛えているとのことでした。その後、彼は病院で一二を争うほど徒手整復の名手となったことは言うまでもありません。やはり、柔道整復師には力が重要で他には何にもいらないことがよく分かりました。

数年後に彼の結婚式に招かれた私は、主賓挨拶として当然この話をしました。

(文:呉竹医療専門学校 校長 細野 昇)

MC900404157

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